いくつかの腰痛の中に急性腰痛(ぎっくり腰)と慢性腰痛があります。
急性腰痛(ぎっくり腰)は、魔女の一撃とも言われ、何かの動作の際、急に腰がピキーンと痛みが出現して動けなくなることを言います。
急性腰痛(ぎっくり腰)を私が患者さんにお話をするとき、もともと腰が凝り固まっていて、輪ゴムをギュッと引っ張ったように張っている状態だったのが、外部からの刺激が入ることでブチッと切れたイメージですとお伝えします。
急性腰痛(ぎっくり腰)になったら、時間が経つと痛みが増してくるため、早めの処置が必要になります。急性腰痛(ぎっくり腰)の場合は、腰が曲がった状態になり立つのも寝るのも大変です。
急性腰痛(ぎっくり腰)は、動くと更に強い痛みが出るので、当院の治療では、立位で歪みを取ってから胸マットを2つ使い、ベッドに寝てもらいます。このやり方から治療を始めるか始めないかで、治療中の痛みが違うし、予後が大きく変わります。
当院では、治療後に立ち上がると姿勢がまっすぐになっていることがほとんどですが、炎症はすぐに治まらないので、腰にテーピングと腰痛ベルトを巻いて帰宅してもらいます。これが最良の急性腰痛(ぎっくり腰)治療です。
慢性腰痛は、一般的に腰の痛みが3か月以上続く状態をいいます。
慢性腰痛は、小学生から高齢者まで幅広い年代で見られます。
常に腰が痛いのですが、朝の起きたてが一番痛く、体を動かしているうちに痛みが緩和します。また何かに集中していると痛みを忘れている感じがあるのも慢性腰痛です。
慢性腰痛については、柔軟性の欠如が痛みの原因になることが多いようです。そのため自分でできる治療法としては、ウォーキングやストレッチで柔軟な体にすることがお勧めです。
そうは言っても痛みがあるのが腰痛です。
腰痛をお持ちの方は、自分の体の歪みをチェックしてみて下さい。
前後・左右・捻じりの動作をしてみて下さい。
前後屈(前屈が楽)
左右屈(右屈が楽)
回旋(左回旋が楽)
どちらかが曲げやすいと感じますか?
①前後屈なら前屈と後屈どちらが曲げやすいですか?
②左屈、右屈どちらが曲げやすいですか?
③左回旋、右回旋どちらが捻じりやすいですか?
こうやって体を動かしてみると動かしやすい方向と動かしにくい方向があるのがわかります。
それが【歪み】というものです。
当院では、治療の最初にあなたの【体の歪み】はこうなっていて、これが楽な状態です。と説明するとほとんどの方が驚きます。
人間は、楽な方に体を歪ませる性質を持っています。
例えば、電車の中で座りながら寝てしまったときにどちらに傾いていますか?
気が付くと隣の人の肩にもたれかかっていたなんてことはないですか?
これって、毎回同じ方向に傾いていると思いませんか?
人間は、力を抜くと楽な方向に傾いてしまうのです。
しかし、本当はその姿勢でいた方が痛みが出ないのです。
それを見た目上のまっすぐな姿勢でいるから不都合が生じて痛みが出ているのです。
車でいうと、その楽な姿勢がニュートラルで、痛みがある姿勢は、3速、4速にいきなり入れてしまった状態です。
しかし、見た目上のまっすぐな体の方が、外見も体の使い方も都合がいいので、当院では、まっすぐな姿勢でも楽な状態になるように自由度を大きくする治療をしています。
たまに治療した方の中に、治療した日は、痛みが取れたと帰ったのに次に来院したときにまだ痛いと嘆く方がいます。
その理由としては、
1、炎症が残っているから
2、痛いかどうか痛い方に曲げて確かめているから
なんです。
1の炎症については仕方がないのです。これは収まるまで安静が必要だから日数が必要です。
2については、良くありがちなのですが、「痛い痛い」とわめく方に限って、痛いかどうか確かめる動作をします。
痛い方に体を傾けるということは、傷口が塞がってきているのを再びこじ開けてしまうようなものです。
冬に大きく口を開けたら、唇が切れるのと同じなのです。
それと同じことをやって「痛い痛い」って、言っているのです。
傷口が塞がるまでは、楽な方に体を傾けている方が、傷口が塞がるので姿勢を曲げておくことが本当はベストなのです。
しかし、仕事に行かないといけない、家事もある、部活もあるなどいち早く痛めた部分を回復させないといけないですよね。だから治療(手当)が必要になるのです。
『腰痛になったら』
1、心配な方は病院でレントゲンを撮る。 骨に問題がなければ ↓
2、マッサージだけではなくて、傷口を塞いでくれるような【歪み】を取ってくれる治療院を探す(接骨院・整骨院では、薬やシップが出ている期間は健康保険が使えないのでご注意ください。例えば病院で7日分シップが出ていたら7日間接骨院での保険治療は受けられません)
3、全身治療で、【歪み】を改善してくれる治療院を探す。
4、接骨院の健康保険の治療は、患部のみの治療となり、早く治すためには限界があるため、実費治療を選択する。
また、治療は強い痛みがあるのにすぐにベッドに寝かせてはいけません。
体が歪んだ状態で、平らなベッドに寝かせられたら、どうなりますか?
体が歪んでいるのにうつ伏せに寝るだけで痛みが強くなってしまいます。
まずは、立った状態で歪みを取って、それからベッドに寝かせられた方が、患者さんも楽なのです。
治療院を選ぶ基準として、そんなことも選択の一つにしてみて下さい。
記事の筆者:花谷接骨院 院長 花谷貴之
腰痛に悩んでいる方は、ご相談ください。